kチェアー

何と言ってもカリモク60の原点.。kチェアーは作り続けられて半世紀が過ぎました。
ずーっとながく使えるものを ずーっとながく作り続けられるものを
杜間道はそう願っています。
職人が生み出す伝統ある工芸品しかり。
一つ一つ作家が心血そそいで生み出すものしかり。
工業製品だってそうありたいものです。
だって工業製品こそ、長く作り続けることが私達に嬉しい恩恵を与えてくれるのです。
長く作れば、パーツが途絶えません。作る人も途絶えません。技術は向上します。品質も向上します。そして値段は高くなりません。
そういうものになるためには、飽きのこないいいデザインであること、しっかりしたものであることが重要です。
そしてそういうものを選ぶ私たちの価値観が何より必要です。
ここでは‘ここまで知らなくともいいよ’というカリモク60の制作の工夫、改良点などもご紹介します。
長年のこうした地道な努力がかけがえのない自信にみちた製品を育てるのです。
・・・・ということをご紹介したくて。


   1シーター  巾645mm   奥行き700mm   高さ700mm   座面の高さ370mm

まさに‘私の椅子’になる一台。
両側に肘掛がある心地良さは想像以上。あなどれません。
ゆったりとしたくつろぎ、落ち着き、そして安心感をを味わってください。

展示店限定品          


★上記kチェアは全ラインナップのうちの一部で、長く作られてきた色です。他定番色、パターンオーダーによる特注色があります。
最新のアイテムについてはカリモク60ホームページをご覧ください。
  2シーター  巾1330mm   奥行き700mm   高さ700mm   座面の高さ370mm

133cmのコンパクトサイズながら二人がゆったり座れる座面の広さがあります。
横になるのは辛いですが、オットマンを併用することでよりリラックスしたポジションがとれます。

展示店限定品          


★上記kチェアは全ラインナップのうちの一部で、長く作られてきた色です。他定番色、パターンオーダーによる特注色があります。
最新のアイテムについてはカリモク60ホームページをご覧ください。
   kチェアーの話

ここはカリモクの工場。材木置き場。
kチェアーもここから始まります。
ここから数えきれない段階を経てkチェアーが作られていくのです。

●デザイン
シンプルなデザインというのはあまりに使い慣れた言葉ですが、その本当の意味を教えてくれるのがkチェアーだと思います。
シンプル=簡単、それだけであれば何の工夫も要らない。シンプルで魅力的であることが重要であり難しいことなのです。
そのハードルを超えたkチェアーのデザインの話細々をお伝えしましょう。
■雰囲気■ 北欧のデザインのようでいて日本的。
日本的なようでいてモダン。
kチェアーのデザインの底力はここ。
フローリングの洋室にも畳の和室にも。
カーペットにも障子にもマッチします。
長い人生。家具を置く環境も変わります。
どこに行ってもどこにおいてもさりげなく溶け込むデザイン。
飽きのこない、長く寄り添う椅子にになれるのです。
■木部デザイン■                              肘掛
kチェアーが好きになる大きな大きな要因がこの木の肘掛を中心にした木部のデザインです。
ここが好きでこの椅子をと思う方が多いのです。
肘掛の部分をご覧ください。
えもいわれぬ形状。鰹節のようなゆるやかなカーブと先端の丸み。
直線と円の定規だけでは決して表現できない形です。
このkチェアー、実は誰がデザインしたか今はわからないのですが、きっとこの形を生んだ人は、
触って触って撫でて撫でてこの形を生み出したに違いありません。
触って気持ちの良い形。木ならではの感触。


                           
思い描くと肘掛以外は棒のような木で構成されているような気がします。
ところがさに非ず。
■クッション形状■ 全体に直線で構成されているイメージのkチェアー。
ところがさに非ず。
良い座り心地を実現するにはそうはいきません。
背もたれもそう、座面もそう。
緩やかなカーブが座る人を包み、支えているのです。
そしてこの必要な形状が私たちにkチェアー全体のやさしさを伝えるのです。
●性能
もちろん、性能もデザインの一部です。
でも、ここではあえて外観からはわからないkチェアーの地味な力をお知らせします。
■組立  □ノックダウン構造■
シート、背もたれ、アーム、シート下桟が分解されて箱に入っています。
コンパクトになることにより、狭い階段や扉が狭い場所でも楽々と搬入が可能です。
引越しの場合も解体し、運搬することができます。

☆パーツ交換の際、お使いになっていた色とは異なるパーツにするのも楽しいかもし
れませんね。
組み立て時のコツ
ボルトを一個一個キツく締めず、全部のボルトをゆるく止め、最後に本締めするのが
基本です。
アームなどにキズがつかないよう、布団の上などで組み立てましょう。
■組立 わかりやすい組立説明書■ わかりやすい(そしてかわいい)組み立て説明書、六角ナット用のレンチが
ついています。

あとはプラドライバーがあれば組み立てできます。
☆ドライバーは先の小さいものですとネジに十分な力が伝わりにくいです。
少し太めのドライバーをお使いいただくと楽に締められます。



■パーツ交換のしくみ クッション構造の椅子の場合、座面はどうしてもへたります。
それでも、kチェアーは少しでも長くいい掛け心地を目指し、度重なる改良を加え、2008
年にはSばねの線径を太く(1.2倍)、それに伴いフレーム木枠の強化を(太さは1.2倍)し、
内部ウレタンを高比重(1.2倍)のものに変えました。
スタンダードブラックについては張り地の厚さも増しました。
カリモクではJIS規格より格段に厳しい独自の規格を持っています。60kg加重、6万回の
耐久テストを実施しています。

それでも、一生涯変わらないということは不可能なのです。
そこで、長くお使いいただく工夫として、パーツ販売を行っています。
これにより、何回でもパーツを交換して長〜くお使いいただくことができるのです。
■キルトウレタン■ kチェアーの特徴、キルト部分(格子のステッチとその交差部のボタン)の裏にはウレタン
が縫いこまれていますが、そのウレタンにもひと手間がかけられています。
ウレタンの裏には布が貼られていて、キルトを施しても(縫製をしても)ウレタンが切れない
ようになっています。

そしてこの布のおかげで綺麗な膨らみが出るのです。
模倣品と比べると一目瞭然。立体感と柔らかみが違います。
■クッション構造■ kチェアーシート断面

キルトウレタン
ソフトウレタン
高密度ウレタン(比重二倍のウレタン)
Sバネ(山型に湾曲して取り付けています。)
■ボタンの話■
kチェアーの大切なキャラクターくるみボタン。
昔はボタンでクッション材を固定し、クッションの片寄りを防いでいました。
現在ではウレタンの質も良く、その必要はありませんが、着座時のシートの前すべり防止
(合皮の場合滑りやすいので)と、デザイン優先の観点からボタン絞りを続けています。
熟練の職人が一つづつ手でボタンを絞っています。

☆このボタンがすごい。
洋服に使っているくるみボタンとはさすが一味も二味も違います。
糸はもちろん屈強なナイロン糸。
さらに糸に負担をかけないようにボタンの取り付け部は回転するのです。

■縫製■ スクエアなキルト部分は自動ミシンで、椅子のマチ(脇の厚みの部分)は職人が丁寧に縫
いこみます。

■ボルトの穴■ たかが穴、されど穴。
ボルトを入れれば見えなくなる穴。
ところがそこに小さなけれど大事なこだわりが。
アームの取り付け穴は円錐状にあけられています。

これはボルトを締めたとき、ボルトの面と木の面を面であて、かかる抵抗を同じにする為。
こうすることによって、締め上げたとき、締める強さによってはボルトが木の中にまで入っ
てしまうのを防げるのです。

通常のドリルプラス専用の刃物によるちょっと細かい熟練技です。
■接着剤の話■
アームの組み立てに使用する接着剤は2つの液を混合して使用するエポキシ系接着剤
です。硬化時間が長く、接着剤も高価ですが、金属や硬化プラスチック、ガラスなども接
着できるほどの優れた接着力を有し、耐水性や耐薬品性に優れています。しかし、ふた
つの液を混合してすぐ硬化がはじまるので、混合後は長持ちしません。30分毎の作り替
えが必要になります。
カリモクではこの混合について逐一記録し、安定した接着を実現する努力を続けています。
●昔からの色のkチェアー●
■スタンダードブラック■

      

ビニールレザーの黒です。
シボ(レザーの模様、凹凸)は浅め
60シリーズのレザーの中では光沢があり、汚れも付きにくい。
ほとんどお手入れに手がかかりません。
時々空拭き、あるいはボタン周辺、シートと背もたれの間などのごみを払うか掃除機をかけてください。
☆注意
ほとんど手がかからないスタンダードブラックですが、お手入れする方に注意を。
拭き掃除をする際には、アルコール、エタノールが使用しないようにお願いします。アルコ
ールとエタノールはスタンダードブラックの可塑剤(粘りのようなもの)を減少させ、硬くなっ
てしまうので縫製部分から破れを発生させてしまうことがあります。
お手入れは、乾拭き、汚れがある場合には中性洗剤を薄めたもので除去し、その後洗剤
カスが残らないよう上拭きをしてください。
モケットグリーン

     

モケット生地(起毛している生地)のグリーンです。
布地の中でも耐久性、耐摩耗性に優れており、電車やバスのシートなど、公共機関でも多
く使われています。

起毛している生地なので光の当たり具合で陰影が強く出、温かく、リッチな印象。
しかし、夏場も肌触りはいいと思います。(生地なのでペタペタしません)
モケット地の性質上、折り皺や毛が寝ることによる変化が表れやすいですが、それは味わい、
ビンテージ感、貫録とも感じられます。

〜60モケットグリーンの張地の魅力〜
生地を作るのは和歌山県の織元、野手特殊織物さん。この地域では車両のモケット含め
全国の90%を手がけています。
カリモク60のモケットグリーンは、家庭用無地のモケットの中ではどても高級なものです。
特徴1
糸に使う繊維の太さは2.5デニール。一般的な糸が1.5ですから、とても腰が強く、毛
が寝にくい
のです。
(1デニールは糸9000メートルで1グラムの太さ
2.5デニールは糸9000メートルで2.5グラムといういう基準です。)
特徴2
生地を織っただけでは艶はありません。艶を出すために毛を起こすブラッシングのあと、
通常の3倍のシャーリングを行い、格段に違う艶と平滑さを出しています。


カリモク60kチェアーモケットグリーン
ボタンで引いた場所がふっくらとして陰影も美しい。


模倣品

最近、安価なものにモケットもどきが増えたように思います。
いろいろなもどき品がありますが、主にはニットをワイヤーで引っ掻き起毛させたものです。
これは毛はありますが布を傷めた毛なので、布は弱く艶もありません。

特徴3
パイル(毛)はそのままでは糸を引っ張ると抜けてしまいます。
それを固定するため裏地に樹脂コーティングを施します。カリモク60では車両用の樹脂
でコーティングを使用し毛抜けを防止しています。

☆お手入れのヒント
毛が寝てしまうことがどうしても気になる場合は、蒸しタオルを当ててからブラッシングで起
こしたり、軽く濡れたタオルでモケット表面を湿らせ、遠くから!ドライヤーで毛を起こすよう
にブラッシングします。
この際、水で濡らし過ぎると生地の裏のコーティングに影響が出て、モケットの毛が抜けて
しまうことがあるので注意が必要です。
もちろん、ドライヤーの熱が強すぎると焦げて取り返しがつかないことになります。
細心の注意が必要な作業になります。

☆お手入れのヒント
モケットは汚れが目立ちにくいですが、それでも気になる方はお使いになる前に「テキス
タイルマスター」で保護するとよごれが付きにくくなります。

☆注意
スチームクリーナーは厳禁です。
熱により繊維にダメージが出ます。モケットグリーンはアクリル55%・レーヨン45%です。
アクリルは軽く暖かく、弾性がありしわになりにくい、日工に強い、発色がよく染色堅牢度も
良好という長所がたくさんあるのですが、熱に弱いのです。
タープグリーン

     

平織のグリーン生地です。
アップで見るとグリーンの糸と黒糸が交差しているのがわかります。
なので平織とはいえ、単調な印象はなく、奥行きのある楽しい色だと思います。
布の厚みも、織もしっかりしています。
とても滑りにくい布なのと、その生地の良さを出すために、この色のみボタンがなく、
(2シーターの背もたれに2個だけ)特にさっらとした外観はスッキリと、且つ独特の可愛らしさ、
世界観があるようです。。
フラノベージュ

     

張地
一般的に「フラノウール」と呼ばれているフェルト素材のような独特の風合いの生地です。
このフラノベージュはウール繊維を織った後、何時間も大量の水で丹念に洗い流し、繊維同士
を絡ませ合うという非常に手間の掛かる製法で作られています。
ウール繊維にはクリンプと呼ばれる縮れがあるおかげて多くの空気が含まれます。
含まれた乾いた空気により、遮断性がもたらされ、冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごすこと
ができます。
また、ウールは抗菌機能や消臭機能を持っており、人に優しい繊維です。

木部のチェリー材

木目は一品一品異なります。
材料自体の色味、木目を生かした透明な塗装うぃ施しています。。
展示品は日に当たっているので色が濃いです。
ブラックチェリーは日に焼けて色が変化します。あめ色に変化していく木地の風合いを
お楽しみください。

展示品             新品

樹脂分が多い木です。樹脂が木肌にはいったガムストリークや成長の過程で細胞の透き
間に樹脂がたまってできたガムポケット、小節、葉節(ピンノット))といったナチュラルマーク
が個性です。
ナチュラルマークがお嫌いな方にはお薦めしません。

ガムポケット


北米で管理されている計画植林材です。
ロングライフとして地球環境に負荷を与えない持続可能な材料にこだわりました。

そしてkチェアーの魅力、アームのさわり心地は、とてもなめらかで柔らかい。
是非撫でてみてください。



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